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February 18, 2013

サンプルの回収率と人口比

 ごぶさたしております。内閣府が実施した「家族の法制に関する世論調査」の結果が報道されています。その内容について踏み込む前に、この調査はそもそもフェアなのかというところから疑問を投げかけたいと思います。

 

調査の概要について、このような表が出ています。性・年齢別回収結果(図をそのまま引用)

Img01

 特に回収率を見てください。20~30代で回収率はとても低いです。特に20代男性となると約1/3、20代女性も半分以下です。それだけ回収されていないということは、意見が結果に反映されていないということです。

 おそらく調査が個別面接聴取法だからではないでしょうか。前々から指摘されていますが、個別に調査員から面談の申し込みがあり、顔を合わせて聞き取る方式です。20~30代ですと仕事などで連絡が付きにくい、警戒心が高いなどの背景はあるのかもしれません。

 もう少し見ていきましょう。

 そもそもサンプル数は適切か。調査は2012年12月に実施だそうですから、それに近いデータとして2013年1月の人口推計(概算値)と比較してみます。年代ごとに抽出したサンプルは人口に照らし合わせて適切かということを確認するということです。

Img02

 多少違いはありますが、そんなに大差はありませんね。しかし回収率で見るとどうでしょうか。回収の右にある割合というのは回収率ではなく、回収されたなかでの年代別割合を算出したものです。

Img03

 この差はどうでしょうか。例えば20代女性は人口のうち約12%を占めているのに、回収率が低かったために回収できたサンプル全体からすると8.2%となっています。ただでさえ20代は人口が少ないのに、回収率でさらに割合が少なくなってしまいました。高齢層のほうが調査に協力的だったため、高齢層の意見が結果に多く盛り込まれています。

 フランクな言い方をすると、「高齢者の意見、盛りすぎじゃね?」。

 「調査に協力しないのが悪い」ということでしょうか。このような回収率の差がある場合、調査結果としてどうなのでしょう。もう少しサンプル数を実際の人口構成に近づけるための努力をしてもよかったのではないでしょうか。あるいは調査方法を工夫するとか。

 またこうした個別面談聴取法では若い年代が協力しにくいという指摘は前回の調査後でも話題になっていました。うろ覚えですが、誰かが指摘していたような気がします。記憶が不確かなので間違っていたらごめんなさい。

 いずれにしても、結婚で改姓するのは多くが女性です。結婚改姓に直面する20~30代の女性の意見を見ると、およそ半数が賛成、通称容認も含めると80%以上にもなります。なぜ当事者の声が高齢化社会の人口構成比で押しつぶされなくてはならないのか、悔しい気がします。

 取り急ぎ、表だけ。統計などに詳しい方がきちんと分析してくださると、ありがたいです。

 

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Comments

どうもおかしな結果だと思っていましたら、本当はこういうことだったんですね。

今後は回収率を考慮したアンケート調査をするように法務省に要望を出していかないといけませんね。(再調査も含めて)

そもそも、この主の調査は、当事者である20-30代の人々を中心に調査してしかるべきなのだと思います。

Posted by: 魚 | February 20, 2013 at 05:39 PM

はい、そうなんです。こうした意見は5年前の調査でもありましたが放置です。

100歩譲って、国民全体に関わる基本法だからとしても、これだけ回収率が低くて、当事者の声が小さくなってしまうのはあんまりだと思います。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | February 20, 2013 at 09:30 PM

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