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June 21, 2010

国会が終わってしまいました

 うーん、残念です。国会が終わってしまいました。まさか今国会で民法改正が成立しないとは。ありえないとは言い切れませんでしたが、一抹の不安が現実になってしまいました。残念です。

 昨年の政権交代。「これでようやく民法改正が実現できる」そう思った人は多かったことでしょう。待つ身もそう思いました。もう勝利は見えたと確信できました。しかも、法務大臣は千葉景子さん、法務副大臣も政務官もがっちり賛成派です。さらに何年もこの問題に取り組んでいる福島みずほさんが入閣し、「千載一遇のチャンス」とも言われました。

 ところがどっこい。

 国民新党の亀井さんが頑として譲らず、閣議決定がなされないまま、時間が過ぎてしまいました。毎日のように千葉さんや福島さんが説得したのにもかかわらずです。あまりに不誠実、意地悪ではないですか。これまでの反対派の執念を考えれば油断がならないと覚悟はしていましたが、まさか阻止に成功してしまうとは。

 そこまでして選択肢を阻止することに何の意味があるんでしょうね?

 どうして亀井さん1人の反対で阻止できてしまうのか。与党は民主党なのに。社民党も共産党も公明党も民法改正には賛成です。国会議員の数で言ったら民法改正の賛成派は多数となり、王手をかけたも同然です。将棋の世界では負けが見えたら「参りました」と潔く負けを認めて試合を終了させます。しかし亀井さんは「ダメだ。アパートみたいだ」などと正当な理由無く、かたくなに拒絶するだけで、次の手を打つことなく試合続行させなかったようなものです。それを放置した与党も与党です。私たちの存在や願いはそれだけ軽かったのでしょうか。悔しいです。

 前々から思っていますが、民法改正が達成できないのは日本の政治力の限界、ここまでの実力しかないという表れなのだろうととらえています。採決すらすることなく、決断をいつまでも先延ばし。政治の本質とは決断することです。議論できない、決断できない、合理的な理由なく感情的に受け入れられなければ先延ばし。悲しいですが、これが日本の政治力、ここまでしか実力がないのです。

 さて今後の見通しですが、一般論でいえば通常国会で成立できなければ次の通常国会まで待たなくてはなりません。秋には臨時国会が開かれますが、おそらく臨時国会では会期が短く審議されないでしょう。通常国会は年明け早々に開きますが、冬の間は予算に集中し、予算が終わって初めてほかの案件が審議されます。そして会期末はたいてい6月なので、3~4月の間に法案提出の閣議決定が成されないと時間が足りません。

 分かりますか?少なくともあと1年はおあずけです。両方の氏にチェックした婚姻届が受理されるようになるには、1年以内は無理ということです。今年中に子どもが産まれる、今年中に結婚する、だから間に合ってほしいという人もいたかと思います。しかし今年中は無理となりました。あと1年は実現しないことを前提として、どう対処するか考えなくてはなりません。通称で乗り切るか、事実婚で乗り切るか。

 あまり考えたくないことですが、このまま民法が改正されなければどうなるでしょうか。待つ身は婚姻制度、法律婚主義が形骸化、無意味なものになっていくと思います。通称使用が広まれば戸籍名は無意味なものとなりますし、事実婚が広まれば戸籍上の配偶関係は実情にそぐわず住民票の続柄(「夫/妻(未届)」)のほうが実情を示すことになり、いずれにしても戸籍が意味をもたなくなります。よく反対する人は「民法を改正して、戸籍制度を壊そうとするのだろう」と警戒していますが、逆です。

 残念なことではありますが、あと1年は待たなくてはなりません。そして次の参院選では、1人でも多く賛成する議員が当選するようによく見極めて投票する必要があります。うっかり反対する議員が当選したら、また亀井さんのように阻止する勢力が増えてしまう可能性があります。

 あきらめず、気を落とさず、私たちが次に移せる手は参院選で確かな1票を投じることです。候補者が本当に賛成かどうか、よく見極めるようにしましょう。

 最後に関連記事です。

○毎日新聞「選択的夫婦別姓:民法改正案、提出は絶望的 「失望」と「当然」の声」
○東京新聞「「政権交代で法案成立」期待ほご 国会閉幕 憤る当事者」(6月17日)

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Comments

>臨時国会

会期が3か月くらいあれば、
民法改正も入れてくれるかもしれないです。
参院選がわりと早いですし、毎年恒例(?)の、
9月に首相交代劇、なんてのがなければ、
結構な長さの会期は期待できそうですが。

でも、会期の最初のほうは、郵政改革法案で、
時間をいっぱい取られそうなんですよね。
(これで、民法改正法案が提出できなくなったら、
亀井静香に2回やられることになるけど。)

あと、政策調査会が復活しそうなので、
議員立法もできるようになりそうですから、
こちらにも、ちょっとだけ期待しています。

Posted by: たんぽぽ | June 22, 2010 at 11:08 PM

んー。。どうかなあ。。。
絶対にないとは言い切れないにしても、楽観視はできないと思います。期待度で言えば、今年の通常国会を上回るのは厳しいかな。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | June 28, 2010 at 01:51 PM

右寄りの人々が夫婦別姓法案を「反日法案だ!」 と批判してるのは何故だろう?とネットをノコノコ歩いてるうち、程なくこちらのページを通りかかりました。

小生、右寄りの人々の反対論は、かつての家父長制度の封建性や男尊主義を名残惜しむからかしら?と漠然と捉える一方、夫婦別姓を希望する方々の、その理由、切実さというものも、今一つピンと来ません。何故にそこまで拘るのかなぁ?と。
そして、恐らくは、同様の「ピンときてない人々」は国民の大多数にのぼると思われ、失礼ながら部外者の感覚から進言させて頂きますと、『もっと多くの人々にその理由を説明し、より広く理解を得る事』が必要なのでは?と思う次第であります。小生も含めて大多数の国民の 無理解→無関心…ピンときてなさ が、この、官や財や米からではなく民の側から改正が望まれる法案の成立の最大の障害ではないでしょうか。まだまだ、足りないですよ。

Posted by: 通りすがり | June 29, 2010 at 11:07 AM

耳が痛いご指摘ですが、ごもっとも。
ただ「何故にそこまでこだわるのか?」と思う人の前で説明するのは勇気が要り、気力を使わなくてはならないのも確かです。

当事者に頑張らせるのも限界があると思います。理由はそれぞれの人生観・価値観でもあり、果たしてすべてを広く理解してもらう必要があるのか疑問です。それより広く国民が理解すべきなのは「選択的」であることだと思います。法制審答申など学識者たちの結論もあり、政治主導で道を開くことが大事だと思います。障壁は無知、無理解ゆえの拒絶感を減らすことではないかと思います。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | June 29, 2010 at 12:23 PM

通りすがり様

「何故そこまで拘るのか?」と言われれば,それ(氏名)が自分の物だと感じているからでしょうね。「私の名前を,私の許可無く奪うな。」と言う感覚です。
通りすがりさんは御自分の本名をどのように捉えていらっしゃいますか?結婚することになって,貴方が改姓することになったら,何の抵抗も無く改姓出来ますか?

『もっと多くの人々にその理由を説明し,より広く理解を得る事』。確かに大事なのかもしれません。
しかし,ですよ。自分の物を奪われた被害者に,「何故,それを奪われるとイヤなのかを説明せよ。」と言うのは,そもそも筋が違うとは思いませんか?
しかもそれを奪った(あるいは奪おうとしている)相手は民法です。殆どの日本人は生真面目であるが故,法律と個人との争いと見れば法律の方が正しい,それにたてつく方が間違っている,と思い込んでしまう。
しかもしかも,被害者が被るのは精神的被害。どうしても「その程度のこと,気にしなければ良い。我慢すれば良い。」と,第3者は思ってしまいがちです。
しかもしかもしかも,そうした訴えをするのは,殆どが女性です。

以上のように,圧倒的アドバンテージがあることを知った上で,ネット上の一部の連中は「何で貴方は夫婦別姓に賛成なのか説明して下さい。」と言ってくる訳です。

するとどうなるか分かりますか?
別姓希望者はまず自分の心情を理解して貰おうと,なるべく細かく,自分の置かれた状況を説明したりします。が,こうなるともう「説明して下さい」派の思うツボなのです。
あとは「単なるわがままだ。」「そんなにイヤなら結婚するな。」「御主人や御主人の御両親がどれだけ辛い思いをするのか分かってるのか。」「子供が可哀想だと思わないのか。」などなど,自分の正体は一切明かさず,自分は法律を遵守する正義の人間だと言うスタンスで,好き放題個人攻撃をして,「説明して下さい」派はスッキリするんですね。
要は圧倒的ハンデ戦を仕掛けて,ストレス発散したいだけなのです。

賛成派の多くは,自身がそういう目に合ってしまったり,そういうケースをイヤと言うほど目にしていますからね。通りすがりさんのような書き込みでさえ,警戒してしまうと思いますよ。

Posted by: 別姓お父さん | June 29, 2010 at 07:16 PM

はじめまして。
選択的夫婦別姓法案は、国連から女性差別撤廃の理由で
何度も勧告を受けているそうですね。

どうして拘るかとか言う前に、ほとんどの人が夫の氏を、
名乗らなければいけない現状を「男女不平等」としている訳ですよね。
これを女性差別撤廃ととらえない政治家が依然として多いどころか、家庭の絆が壊れるなどという屁理屈をつけて勧告に従わないこと自体が問題だと思います。

世界の動きから見ても、民法改正をいつまでもしないことは、
情けないことだと思います。

Posted by: yuri | July 01, 2010 at 12:02 AM

連投失礼します。
よろしかったら、こちらのサイトをリンクさせていただけますか?
私のブログでも女性問題について時々取り上げています。
とても充実した記事を拝見して、
ぜひ紹介させていただきたく思いました。
よろしくお願いいたします。

Posted by: yuri | July 01, 2010 at 09:33 AM

yuri様

この辺りは管理人さんの方がはるかにお詳しいので,本来,私がコメントするのはどうかとも思いましたが,あまりにも情けないので少々。

国内向けには「日本の形を守る。」「日本の伝統文化を守る。」「日本の家族の絆を守る。」などなど,勇ましいフレーズが連呼されていますが,これが国連の女性差別撤廃委員会への説明となると,ほとんど「世論調査の結果がうんぬん・・・」の一点張り。国民意識の低さを盾に逃げ口上を打つことに終始してきたのが,これまでの日本政府の対応でした。
で,ついに「民法を改正しない理由に世論調査を使うな。」と,昨年,国連から言われてしまった訳です。

日本政府が,こうしたあまりにも情けないダブルスタンダードでこの問題に向き合ってきたことは,当然,国連にもばれていた。だから「もう,その言い訳は駄目だ。」と国連から最後通告されてしまい,その言い訳を使わないで,政府が民法改正に向けてどのような取り組みをして,どのような結果となっているのか,を,来年(?)には,文書で国連に報告しなければならない,と言うのが現状のようです。

その最後通告の直後,政権が自民党から民主党に変わりました。
現政権には是非是非,堂々と国連に説明できる,そういう対応をお願いしたいものです。

Posted by: 別姓お父さん | July 01, 2010 at 10:00 AM

コメント欄で展開されていることへのコメントをお許しいただけるでしょうか。
私も事実婚=別姓実践者ですが「なぜそこまで拘るのか?」を周囲に理解してもらうことは困難だと思いますし、その必要を感じません。面と向かって「あなたの生き方はおかしい」と言われたり、別姓を理由に差別されなければ、社会生活に支障はありませんから、それでよいととりあえず思っています。
しかし、法律を変えるためには、強烈な右派・復古派の政治的反対運動がある以上、民意が選択制に「賛成」(「どちらかといえば」も含めて)が多数になることが、不可欠だと思います。
それは、1)具体的な個々人として「なぜそこまで拘るのか」を理解してもらわなくても、日本国民の少数派の生き方として「なぜそこまで拘るのか」について、「そういう生き方があってもよい(私は選ばないけれど)」と感覚的に感じてもらい、2)さらに復古派たちの政治的言説である「家族の崩壊につながる」「日本をの伝統をダメにする」等々が「説得力がない」「ダサイ」「そこまで言わなくてもいいじゃないか」と思ってもらう、3)以上の「空気」が多数に浸透し、少なくとも表のメディアで「市民権」を得て、政治家を動かすということが必要ではないでしょうか。
国民新党のように「別姓反対」をアジェンダにして保守層のマーケットを開拓・獲得しようとしている政党があるのに、社民党などが逆のことをやっていないことを見てもわかるように、「選択制」を実現をめざす私たちが、たとえば時効制度の縮小や犯罪被害者の裁判参加や薬害肝炎救援などを実現した人々のように粘り強く、そして税制や福祉制度を論じる時のように冷静に、さらには自分の生き方に関わるだけに少し肩の力を抜いて、世論と世の中を動かしていくしかないのではないでしょうか。長文失礼しました。

Posted by: memphis | July 02, 2010 at 11:29 PM

mixiでこんな記事を教えてもらいました。儚い希望かもしれませんが、わずかな光でも信じてみたい気分です。
千葉法相、頑張れ!!!!!

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100703-00000031-san-pol

Posted by: 蓼食う虫 | July 04, 2010 at 10:52 PM

>yuriさん

リンクの件、どうぞどうぞ
気付くのが遅れてすみません(^^;

>別姓お父さん

国連の女子差別撤廃委員会からの勧告、どうも軽視されがちですよね。困ったものです。

>memphisさん

そうなんですよね。私たちが周囲を着々と確実に動かしていかなければ法律はなかなか変えられないのでしょうね。個人の力だと途方もないことのように感じますが、それが広がるといいなと思います。

>蓼食う虫さん

でも産経なんですよね(苦笑)。私たちには明るいニュースですが、アンチ民主な人たちを扇動するためのネタのような気がして。。どこまで信じていいのか微妙です。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | July 05, 2010 at 11:49 AM

待つ身様、皆様こんにちは。

私の周りには、夫婦別姓に理解を示している人も多数いますが、実際別姓を実行している人と直接話したりする機会が無かった為、いつもこちらのサイトを拝見しては、勉強させて頂いてました。待つ身様の冷静かつ謙虚なご意見、別姓父さん様の楽しく厳しい(?)コメント、Pちゃん様のお悩み等、、本当に私の励みとさせて頂いて来ました。
実は、私は今週ペーパー離婚をし、晴れて旧姓に戻りました(まだ、実感ありませんが。。)この事は、今年中に法案が通りそうも無いと判断したときから、覚悟をきめ、決断をしました。正直言いまして、その時から夫婦別姓法案の導入に関して冷めてしまったと言うか、、このままずっと事実婚でいいじゃないか、と思う様になったのです。しかし、実際離婚し、感じたのは<やはり夫婦別姓法案は実現すべきだ!>という強い思いです。私の場合、今子供と苗字が違います。違うのは構わないのですが、それを誰かに説明する時の労力(戸籍謄本を常に持ち歩く事にしようと思います)、親権の問題などがどうしても頭をよぎります。やはり<社会的に認知される>事が必要なのです!!
 夫婦別姓法案は近い将来に通過すると思います。その時、私は再び結婚するかどうかは判りません。しかし、様々な生き方を尊重する為にも、必ず実現するべきだと強く思います。

Posted by: Eddy's mother | July 08, 2010 at 09:35 AM

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