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August 21, 2009

国連、民法改正を勧告

 国連の女性差別撤廃委員会が、先月の日本からの報告をうけ、最終見解を公表したそうです。

 ○女性差別、早急な対策を  国連委が日本政府に勧告
 (共同通信 2009/08/20 22:42)

【ニューヨーク共同】国連の女性差別撤廃委員会は19日までに日本政府に対し、夫婦別姓を認めていない民法の「差別規定」改正など女性差別の完全な撤廃に向け早急な対策を求める勧告を発表した。

 ○女性差別撤廃への対応「日本は不十分」国連委が勧告
 (朝日新聞 2009年8月20日9時5分)

夫婦同姓や結婚可能年齢の男女差といった民法の差別的規定の改正(略)などを改めて求めた。
(略)
特に、民法改正が行われていないことについては「直ちに行動を」と求めた。

 ○女性差別への取り組み不十分=日本に民法改正など勧告-国連委
 (時事ドットコム 2009/08/20-16:51)

2003年の前回勧告への日本の対応は「不十分」として遺憾の意を示し、男女別姓を認めていない民法の差別的規定の改正などを求めた。

 時事ドットコムの「男女別姓」って……翻訳のミスか何かでしょうか。なんて細かいツッコミはさておき、どの報道を見ても、婚姻の要件に夫婦同氏を定めている現行民法を是正するようにと、つまり選択的夫婦別氏制度を導入するようにと勧告しています。

 現行法では夫婦同氏の原則を定めています。これは婚姻の要件であり、効果でもあります。具体的には婚姻届を提出するとき、夫婦は氏をどちらか片方選ばなくてはなりません。必然的にどちらかが氏を失うことになります。

 結婚をする権利と自分の名前を維持する権利、どちらも大事で守られるべき権利です。しかし日本の民法では二者択一となっています。どちらかを選べば、どちらかは選べません。

 ただ法律では「どちらか片方」を選ぶことになっているので、女性が改氏するようにとは定められていません。男性が改氏する場合もあります。しかし現実は「結婚したら女性が男性の名前に変えるもの」という社会通念が定着しており、女性が婚姻前の氏を維持するのは容易ではありません。実質的には女性に不利な規定です。

 氏を維持したい人にとって氏を失うことは、生活上のこまごまとしたところで不都合を生じることになります。通称使用が可能なのは呼称に相当する限定的な範囲のみであり、いくら旧姓でも公的な名前として認められません。

 夫婦や家族の一体感の証として同氏を望む夫婦もいますが、職業上の理由や家庭の事情などで婚姻後も氏を維持することを望む夫婦もいます。そういう夫婦にとって、夫婦がどちらも婚前の氏を維持したまま結婚できるようにすること、つまり選択的夫婦別氏制度の実現は悲願なのです。

 海外を見ても、夫婦同氏規定に相当するものを持っていた国は少なくありませんが、徐々に夫婦の同氏を強制ではなく、別氏も選択できるように家族法を改正しています。

 社会が結婚を1つの形にしばらずに当事者の意思を尊重する制度を持つことは、ある程度の成熟さと寛容さに到達した証ではないかと待つ身は考えます。

 今回の国連からの勧告は選択的夫婦別氏制度だけではなく、民法から雇用まで幅広くあり、次の政権がどこから着手するかわかりませんが、これまでのようにただ黙殺するのではなく素早く適切な行動に移すことを切に希望しています。

 追記:原文から選択的夫婦別氏制度が要請されているところを引用します。

18. The Committee urges the State party to take immediate action to amend the Civil Code with (略) and adopting a system to allow for the choice of surnames for married couples.

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Comments

先日はコメントありがとうございました。
夫婦別姓に象徴される現行の結婚にまつわる世間のステレオタイプな見方に抵抗して、永すぎた春の後、今年から事実婚状態の者です。
 そろそろ(仕方なく)入籍しようとしていたのですが、しばらく政局を見守ろうかとも思い躊躇しておりました。本日この記事を読み、力づけられました。何度もぬか喜びしていたので過剰な期待は禁物ですが、あと少しだけ待つ価値はあるのかもしれませんね。

Posted by: さわ | August 23, 2009 04:32 AM

さわさん、再びこんにちは。
確かに民法改正では立法の常識を越えた抵抗や出来事が多く起きていて楽観できません。過剰な期待をすると裏切られた時の落胆が大きいので、慎重になったほうがいいと思います。国連からの勧告にしても、ずっと前から言われたままですし。
でもおっしゃるとおり、もう少し静観する意義はあるかもしれませんね。政権交代すれば法改正を阻止できた要素は大きく変わりますし。ただ待てずに同姓で婚姻届を提出したとしても経過措置があるでしょうから、あまり無理なさらないでくださいね。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | August 23, 2009 10:23 AM

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