読売の世論調査
少し前になりますが、2008年8月27日の読売新聞にて結婚観に関する世論調査の結果が発表されました。この調査は読売新聞が今年8月に有権者を対象に個別訪問面接聴取法にて実施したものです。
結果を言う前ですが、内閣の支持率だって調査したメディアごとに開きがありますし、比較的保守と言われる読売新聞(最近は微妙ですが)が調査主体で、さらに個別訪問で回答するとなると、保守よりの結果になるのではないかなあなんて思ったりします。ただそこを疑ってしまうと元も子もありませんので、とりあえず、さておき。
この調査を見ると、結婚観が多岐に分かれているという印象をうけました。「『女性は結婚しなくても、十分に幸せな人生をおくることができる』と思うか?」という質問に対しては「そう思う」が54.7%で半数を越えています。逆に「そうは思わない」はじりじりと下がり、39.4%です。30年前は「そう思う」が26.1%と4人に1人の少数意見だったのに対し、「そうは思わない」は50.1%から39.4%へと下げました。結婚しなくても女性は幸せな人生をおくることができるという考えが増えてきていることになります。
一方、「一般的に言って、人は結婚した方がよい」と思う人はこの5年間にて増加傾向にあります。全体として、2003年8月は54%、2005年2月は61%、2008年8月は65%でした。特に20代は30%から52%へと変化、3人に1人から2人に1人となりました。結婚の価値は高まっているようです。
面白いですね。「女性は結婚しなくても幸せ」という意見が増える一方、「一般的に結婚したほうがいい」も増えています。これは「できることなら結婚したほうがいいが、結婚しないからといって不幸ではない」と考えが柔軟になってきているということかもしれません。
さて、最も気になるのは選択的夫婦別氏制度導入への賛否です。結果部分のグラフを左に引用します。
ざっくり言えば、賛否は半々というところですね。全体で見ると「賛成」が47%、「反対」が46%です。
それにしても半分が「賛成」なのに実現しないなんてどういうことでしょうね(笑)。残り半分が「反対」といっても、「選択的」夫婦別氏制度なわけですよ。
夫婦の結婚のかたちの1つである「姓」の選択であるのに、当事者の意思よりも(半数の)世論の方が重要ということでしょうか。
また「反対」と答えた人は「夫婦が合意しても、夫婦であれば同じ姓であるべき」という考えであるということになります。そうですよね。違うというなら「賛成」と答えてもいいはずです。
ただ、どうでしょう。実際「反対」の多くはそんなに頑迷ということもないような気もしています。「どちらかといえば反対」あたりだと、「なんとなく、夫婦が同じ名前でないとなんかイヤかな」くらいの感覚ではないかと想像しています。希望的観測かもしれません。いろいろと考えるときりがありませんが、結果は結果です。
ちなみに、質問文も見ておきましょう。
◆あなたは、夫婦が希望すれば、それぞれ結婚前の姓を名乗ることができる「夫婦別姓」の導入に、賛成ですか、反対ですか。
この質問文には「夫婦が希望すれば」とあるので、夫婦が希望さえすれば逆に同姓も選べるわけで、これは日本語が分かる人なら分かります。ただし「選択的」という言葉が入っていなかったのは残念です。
なお男女別に見ると対照的な結果になりました。数字まで一緒。
男性:「賛成」43%、「反対」50%
女性:「賛成」50%、「反対」43%
さらに年代別で見ると、「賛成」が最も多いのは20代で62%だそうです。結婚を間近に控えた年代の6割強が「賛成」であるのに、制度が実現しないなんて「おかしい」のではないでしょうか。
それもこれも政治の不作為ですよね。現在の政治は国民の声なんて、当事者の声や利益なんて考えていないということですね。
自民党が与党である限り、選択的夫婦別氏制度の実現は厳しいといわれています。おそらくそれは本当でしょう。逆に自民党が与党ではなくなれば、民法改正が実現する可能性はぐんと上がります。ただ「すぐ」は期待できませんが、民主党、共産党、社民党など現在の野党の多くはマニフェストなどに民法改正を掲げています。
首相が辞任し、総選挙が現実味を帯びてきました。その前に総裁選など何段階かありますが、もし解散・総選挙となり、さらに自民党が与党でなくなれば、選択的夫婦別氏制度が実現する日はそう遠くないかもしれません。まだそこまでは現実的ではありませんが、解散総選挙は選択的夫婦別氏制度実現への小さな前進となるかもしれません。


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