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July 30, 2007

ほんの少し嬉しい

 今回の選挙、当然ながら待つ身は夫婦別姓に賛成する政党・候補者で選びました。結果は参院選は歴史的な自民惨敗となりました。夫婦別姓が実現しない原因となっている「自民の圧倒的多数」が参議院で崩れたことは明るい兆しであるような気がします。

 これまでの繰り返しとなりますが1996年に法制審答申で民法改正案が出たにもかかわらず、選択的夫婦別氏制度が実現しないのは与党である自民党内に阻止する議員がいるからです。自民党が多数を占めている限り、夫婦別姓の法制化は絶望的です。特に反対する議員で固められた現政権だとなおさらです。

 ただし念のため、自民党は公式には「反対」としていません。「賛成」という結論に至っていないのです。でも実質的には限りなく「反対」です。与党が賛成しない限り、法案は国会に提出されず、審議もされません。野党はずっと法案を出していますが、与党は野党が出した法案は無視しますから。これが与党・自民党の横暴さです。

 とはいえ、今回の選挙で野党が参議院の過半数を取りました。民主党、共産党、社民党は党をあげて選択的夫婦別氏制度に賛成です。東京選挙区で当選した川田龍平さんのように無所属で賛成の人もいます。ちなみに与党ですが公明党も賛成です。

 ただし参議院で野党が優勢でも、衆議院は郵政選挙で圧勝した時の議席が残っています。参議院で法案が通っても衆議院で否決されたら法案は通りません。参議院より衆議院の採決の方がエライ(笑)ことになっているのです。

 今回の参院選で選択的夫婦別氏制度への実現に大きく1歩近づいたのは確かですが、衆議院で自民党が圧倒的多数である限り、まだ実現は厳しいです。でもこのまま政権が維持できるとは限りません。惨敗しても責任を取らない首相は批判されています。批判を黙殺すれば反感が高まり、支持率がさらに低下すれば政権運営はより厳しくなることでしょう。

 首相が続投するべきかどうかは、私感ですが、それは自民党員が決めることだと思います。世論調査で首相続投が問われることがありますが、制度上、首相は自民党の総裁がやることとなっており、自民党の総裁は自民党内の選挙で決まります。自民党員でなければ(まるで国民のうちに入らないみたいですけど、苦笑)、この問題には口を挟めないのです。待つ身はそういう理解です。

 ただし、現首相は「選挙に勝てる」という理由で選ばれた人です。思い起こせば、かつては世論でも圧倒的な人気がありましたものね。政策よりも人気で選ばれた人だったのではないでしょうか。しかし人気が落ち目となれば、もう自民党の総裁でいる意味がないのでは?。もちろん、お払い箱にするかどうかは自民党が決めることです(苦笑)。

 さて、まだ選択的夫婦別氏制度実現には見通しが立たないものの、嬉しいことがひとつあります。2004年の自民党法務部会にて通称使用法案が「ぼくの心にある!」と発言した議員がいました。資料館(発言)でも当ブログでも、何度も取りあげていますから、覚えている人もいるかもしれません。

 この発言は実名報道されず、議事録もないので、発言主は出せませんが複数の人物から誰か特定できています。ここで実名を出すと「いいがかりだ。証拠を出せ」と言われる可能性があるので名前はいまだに伏せておきますが、いいニュースがあります。

 その議員は落選しました。

 下馬評では自民候補なので優勢と伝えられており、待つ身も当選は避けられないと半ば諦めていました。しかし、なんと、予想外に落選となりました。3年前の屈辱がほんの少し晴れた気分です。

 必要な政策を心の中にある法案で阻止するなんて、そんな無茶な理論があるでしょうか。政治家としての資質や誠実さを疑う発言です。法務部会という議事録のない場なら何を発言しても許されるとでも思っていたのでしょうか。きっと夫婦別姓を阻止すれば保守層に恩を売ることができて選挙のためになると思ったのでしょうね。

 今回の参院選では民法改正は争点ではありませんでしたが、諦めなければいい風が吹くこともあるのですね。2002年いらい、ずっと可能性は下降する一方でした。少し明るい兆しとなってきたという気がします。実現はまだまだ先ですが、少し嬉しいです。

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Comments

実は、楽観できないだろうと予想してました。
まだ衆議院が残ってますので。。。
でも、以前より風通しが良くなってきてる事は確かでしょうね。

あとは、早い時季に衆議院を解散させる事でしょうな。

Posted by: MU@沖縄 | July 31, 2007 at 07:52 AM

私もです。自民党には(利権や宗教の)組織票がありますから。
でも「心の中」の発言者が落選するのは本当に意外でした。
諦めていたけど、これは天罰でしょうね。なんてね(笑)。

ただご指摘のように、衆議院はまだ自民が圧倒的多数なので
民法改正の実現はまだ難しいところです。

でも根気強く諦めないこと、
民法改正が実現しないのは自民党の不作為であること、
自民党が圧倒的多数を握る限り実現は絶望的であるということ、
こうした理解を地道に伝えていくことが大事だと思いました。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | July 31, 2007 at 02:33 PM

参議院で野党が過半数という事は、いままで審議すらされなかった別姓法案がやっと国会で審議されるという事ではないでしょうか?野党間で調整さえ付けば参議院で可決されるでしょうし、そうなると衆議院でも審議せざるをえなくなるでしょう。衆院で審議にまわされず干されるという可能性もありますが、それをやると衆院の法案も参院で干されるリスクがあります。野党、とくに民主党が本気で取り組むなら両院で公開での審議が実現します。

非公開の自民党部会で強行に反対していた議員も国民の目がある国会でどれだけ反対論を主張できるか興味深いところです。自民党内の別姓推進派が党議拘束を外すように根回しできれば衆院を通ることも不可能ではないでしょう。

希望的観測ですが、少なくとも参院での審議は実現できるはずです。ここ十年来最大のチャンスですので、いままで散々リップサービスしてきた野党各党が、どれだけ本気で選択的夫婦別姓に取り組んでくれるか注視する必要があると思います。

Posted by: 7388 | July 31, 2007 at 03:42 PM

こんにちは。
HPの方で何回か発言させていただいたことがあります。
今回の参院選、私もちょっとうれしかったです。
でも安倍内閣は退陣しないんですね。
今の内閣では夫婦別姓のふの字も出そうに無いので
早く退陣して欲しいです。
早く心穏やかに過ごしたい。切実な願いです。

Posted by: vanilla | July 31, 2007 at 05:01 PM

7388さん、vanillaさん、コメントありがとうございます。

参議院での国会審議、確かに可能性は出てきました。
少なくとも昨日のNHKの討論番組では社民党の福島さんが「民法改正法案を提案していきたい」と話していたような気がします。

民主党がどれだけ本気で取り組んでくれるか。。。
まだ分かりませんが小宮山さん・枝野さん・千葉さんら熱心な議員がいますので、期待していいと思います。

あと自民党内の党議拘束外しは難しいでしょうね。
臓器移植法案で外された実績がありますが、「今回のみ」という限定つきで許されたようなものです。それに高市議員ら反対派は(特に2003年は)「党議拘束を外してはならない!」とも主張していました。ただ党議拘束をどうするかは党幹部が最終的に判断することで、現時点では党の要職を反対議員が占めていますから相当難しいと思います。9月に内閣・党人事を改造するそうですが、安倍さん続投なら思想的にも近い議員を据えるでしょうからこれもあまり期待できないと思います。

しかし少しは劣勢を打破する兆しが見えたのは確かです。動向を注視していきたいですね。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | July 31, 2007 at 07:39 PM

こんにちは、いつもブログを購読→拝見してます。

河野太郎さんのブログ http://www.taro.org/blog/ で、参院での与野党逆転を受けて、
「与党自民党も、党本部の中での閉ざされた部会での議論ではなく国会のオープンな場での議論を展開していかなければならない。官僚が作った案を部会で一時間だけ議論して承認というこれまでのようなイカサマ党議拘束では、自民党は滅びる。」 と書いておられます。
で、河野さんが7月30日に、朝日ニュースターというケーブルTVチャンネルの報道特番に出演された際、ほぼ同様の趣旨の発言において「臓器移植」「夫婦別姓」を例に取り、

<<こうした、与党の中でも野党の中でも意見が割れているが、早く結論を出してほしいと思っている国民がいらっしゃる重要法案において、自民党内だけでとどめるのでなく、国会の場で議論が可能になるかもしれない>>

のような発言がありました。(一度耳にしただけのものをまとめたので正確でないかもしれません、録画再放送に期待)
彼の口から「夫婦別姓」という言葉は2~3度重ねて聴かれました。みてて涙が出そうになりましたよ>自分
今後、参議院から民主党主導の運営で法案提出ができるようになればそんなこともありうるのかな、と希望が持てた次第です。

Posted by: MARYAM | August 02, 2007 at 03:01 AM

>制度上、首相は自民党の総裁がやることとなっており、

いや、制度上は、国会議員の投票で多数をとればいいわけで、
衆参で違う場合は衆院優先。

衆院で自公が過半数を持ってるから自民党だ、ということは普通にはそうなんですが、
かつて、「村山指名」というのがありました。

今回選出の参議院議員は、6年間「解散」がないので、3年後に半数改選でむちゃくちゃ勝つ自信がなければ、衆参「逆転」は続く。へたをしたら2年後の衆院で負けるかもしれない。

…などと思った自民党が、改憲派の「前原指名」などというムチャクチャをやって、野党陣営を崩しにかかる可能性はかなりあると思います。

何を「取引材料」にするかはともかく。

Posted by: ×第二迷信 | August 06, 2007 at 08:35 PM

MARYAMさん、お返事遅れてすみません(^^;

その後も河野太郎さんのブログにて似たような主旨で夫婦別姓にも言及がありますね。今後の動向には注目だと思っています。

×第二迷信さん、誰かにそう突っ込まれると思っていました(^^;

お察しのように、現状の自公過半数を前提としています。言葉足らずですみません。
郵政選挙では自民に圧勝させてしまいましたが、衆だと長くても4年、いつ解散があるか分かりませんが、参だと任期は6年ですからね。遅くとも2年後には衆院解散ですが、今年中には必至という噂もあり、どうなるか気になるところです。
今日から臨時国会が始まりましたが、8月下旬の人事と臨時国会が始まると・・そろそろいろんな動きがあるのではないかと思います。お盆明けかな。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | August 07, 2007 at 04:48 PM

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