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March 01, 2007

婚姻の効果か要件か

 前のエントリのコメントで少し触れた件ですが、改めてエントリとして記しておきます。

 婚姻に伴う改氏は婚姻の効果か要件か。

 改氏をしなくてはならない根拠は民法750条にあり、これは「第2節 婚姻の効力」に記載されています。それで「効力だ」という意見をよく見ます。

 しかし効力と考えるなら、これは厳密には同氏にすることだと思います。

 一方、民法750条規定により片方が改氏しないと婚姻届が受理されないという事実があります。この片方が改氏することは婚姻の要件とみなすこともできると思います。

 民法750条は婚姻の効果か要件か、さあどっち?

 法務省民事局に「民法750条が定める夫婦同氏原則は婚姻の要件か効果か?」問い合わせると、
 

「片方が改氏しないと婚姻届が受理されないので要件とみなすことができます。また同時に婚姻後は改氏するなら夫婦ともにしなくてはなりませんので効果といえます」

 と口頭で回答をもらいました。どなたの発言ですかと聞くと、「法務省民事局参事官室です」だそうです。

 ということで、民法750条の夫婦同氏原則は要件と効果が表裏一体という(一見して)妙な?規定となっているようです。後から考えると、片方の改氏が要件であり、夫婦の同氏が効果と分けて考えることもできそうですね。とはいえ、「効果」は法律用語ですが一般的な日本語の感覚だと婚姻したことのメリットのような印象があります。でも実際には婚姻に伴う拘束力みたいな感じですね。婚姻をしたら同氏にしなくてはならないのですから。

 ただしこの夫婦同氏原則は日本人同士の夫婦のみが対象というのが感覚として不公平ではないかと思うのです。夫婦同氏原則を婚姻成立の必須要件にするなら、その合理性・必然性はどこにあるのか、私には疑問でなりません。

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Comments

外国人と結婚する者は同氏/別氏が好きに選べて、日本人同士は同氏のみという規定、私もおかしいと思います。
外国人と結婚する者はどうでもいいということなのか、単純に日本人名が無くなると困るだろうからという、自分の差別意識を投影したものなのか?
在日韓国人の通名(日本人名)は逆差別だと思うんですけどね┐(´ー`)┌ヤレヤレ

Posted by: まつこ | March 02, 2007 at 12:58 AM

まつこさん、コメントありがとうございます。
外国人の通名は逆差別というか、郷に入っては郷に従え、的な考えが強いのかしら。
夫婦同氏原則は日本人同士のみというのも、やはり戸籍の形式があるからなのかもしれませんね。体裁より実情に会わせるほうが大事だと思うんですけどね。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | March 02, 2007 at 12:41 PM

こんにちは。

待つ身さんの

「外国人の通名は逆差別というか、郷に入っては郷に従え、的な考えが強いのかしら。
夫婦同氏原則は日本人同士のみというのも、やはり戸籍の形式があるからなのかもしれませんね。」

は私もほぼ同じ印象を持っています。
戸籍の構造、記載方法や扱い方を見ていると、結局結婚しても外国人は戸籍が作られることはないので、同氏という枠に入らない=同氏にならない、という極めてメカニックな仕組み・・・・・・。
本来、戸籍はもっと事務的なノートであるべき(戸籍法はあくまで手続法)で、民法主体で書式がばんばん変わるべきものだと思うんですけどね。戸籍幻想の根強さがこんなところにも出てるのかもしれませんね。

Posted by: ぽんちょろにゃんこ | March 05, 2007 at 11:22 AM

ぽんちょろにゃんこさん、コメントありがとうございます。

そうですね。手続き上の便宜というか形式が重視されてしまい、そこから理念が導かれてしまっているというか。。。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | March 05, 2007 at 12:23 PM

改姓ないしは、姓の選択が、婚姻の要件なのか、効果なのかという議論、とても興味深く読ませていただきました。
私も、以前より興味が会ったところです。
私は、法学部におりますが、専門は法哲学で、民法は専門外ですが、その昔法学部の学生だったときに、山畠先生の民法・家族法の講義で、「同姓は婚姻の効果であって、要件ではない」と教わり、非常に強く感銘を受けました。論旨は明確で、憲法で「婚姻は両性の合意のみにより成立し」とある以上、それ以上の要件を設けることはできないというものであったと記憶しています。つまり、婚姻意思と婚姻障害のないこと(実質的要件)。手続きとしての届け出(婚姻届)は、実質的要件を確かめるものである、という説明だったと記憶しています。
正確なところは、教科書を読んで確かめようと思ったのですが、手元にありませんでした・・・
この山畠先生のお話は、自分自身の別姓の実践の際の心の支え(!)の一つだったりしました。
しかし、政策論としては、とても魅力的なのですが、法解釈としては、もう少し詰めた議論が必要かなと思うようになりました。
今のところは、下記のように考えて(理論武装?し)います。

現在の婚姻の成立要件は、
実質的要件としては、婚姻意思と婚姻障害と、手続的要件としての婚姻届。
日本が届出婚制度を採用している以上、実質的要件の他に手続的要件としての届出が求められることは、当然といえる。しかしながら、手続的な要件が実体的な権利を合理的な範囲を超えて制限することは、許されない。たとえば、手続きをする度に手数料を100円徴収するといった条件であれば、恐らく実質的な権利侵害とは言えないと思います。これが1000万円とかなら、実質的に制限していると言えると思います・・・
で、婚姻の自由は、尊重されるべき権利にあたるかどうか、と現在の届出(婚姻届)が権利を実質的に侵害しているかどうかの二点が問題になります。
第一の点に関しては、婚姻の自由は、憲法上の人権(両性の合意のみに・・・)ですので、問題ないですね。従って、実質的に侵害するようなハードルとしては、機能することは許されないはずです。
また、同姓の強制・氏の選択(この二つはちょっと違うと思いますが・・・)が、憲法上の人権を実質的に制限しているかどうか、という後者の点については、現在同姓にすることができなくて、婚姻届を出すことができない人がいる以上、実質的な制限にあたると言えると思います。
従って、婚姻届の中で同姓の強制・姓の選択なしには、受理しないという現在の手続きの運用は、基本的人権を侵害しているということが言えるのではないでしょうか。
婚姻届の不受理の場合の不服申し立てという形で、争いうると思います。

こういうのは、学者の戯言という感じがしてしまうかも。。。と思ったりもしますが、法務省の、効果と要件の両面があるという見解は、実態としてはその通りと思いますが、理論的にはもう少し整理する必要があるはずと思っています。

長々と失礼しました。
ブログ、いつも楽しく拝見しています。
それではまた

Posted by: いのうえ | March 07, 2007 at 05:34 PM

いのうえさん、ご愛読&コメント誠にありがとうございます。

私は法律家ではないのですが、民法750条を婚姻の「効果」という側面は認めつつも、「要件」が否定されたら違和感を覚えます。
難しいことはさておき、どちらかが改氏しないと婚姻届は受理されないですから。後から戸籍の実務書を見ても形式的要件とありますし、記事にあるように民事局参事官室から「要件でもある」と言質をとったという理解です。

加えて婚姻届の不受理の不服申し立てですが、昨年トライしたのですが負けています。
http://fb-hint.hp.infoseek.co.jp/law13.htm

立法がダメなので司法はどうか、別氏なら婚姻届を不受理にすることについてどういう法的な合理性があるのか知りたかったのですが、「立法政策の問題」との回答でちょっとがっかりです。責任転嫁されてしまったような気がします。。。とほほ。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | March 08, 2007 at 01:27 PM

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