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June 06, 2005

結婚の規制緩和と少子化対策

 6月5日の日経新聞朝刊によると「少子化対策として結婚の規制緩和が有効」と大和総研がリポートをまとめたとありました(ちなみに紙面のほうが少し詳しく掲載されています)。

 新聞記事によると「日本では伝統的な結婚生活に制約が多く(略)、未婚化・少子化が加速する」とあります。本文では夫婦別姓には触れていませんが、夫婦の氏を統一しないと婚姻届として受理しないという現行法もまた制約のひとつです。

 ただし夫婦同姓を「伝統的」とするのは疑問が残ります。法律で夫婦同姓を定めたのは明治31年です。戦後になり夫婦同姓の原則は変わらずとも、どちらの氏も選択可能になりました。現実的には妻が改姓する方が圧倒的多数だそうです。夫の氏を選択する割合は専業主婦の浸透率と関係があるとの指摘を聞いたことがあります。夫婦同姓とはむしろ作られて間もない習慣なのかもしれません。

 夫婦別姓の法制化と少子化については、積極的に関連付けることに抵抗感がある人もいるようです。私は夫婦別姓の法制化が少子化の特効薬になるとまでは思っていませんが、少子化の進行を防ぐ効果はあると期待しています。なぜなら結婚改姓が結婚のハードルであるならば、出産の上流がせき止められているようなものだからです。結婚に踏み切るハードルが低くなれば、出産や育児という次のステップへと進みやすくなると考えています。

 一方、北欧や英仏では結婚の試行期間としての事実婚や、その間に生まれる婚外子が一般化しており、結婚形態の多様化と歩調を合わせ、出生率の低下に歯止めがかかったと指摘している。(2005年6月5日、日経新聞朝刊より)

 ところで「規制緩和」という表現は前にも見たことがあります。2004年8月18日朝日新聞による「再び問う 夫婦別姓」では賛成派として野田聖子氏、反対派として高崎経済大学の八木秀次氏がそれぞれ意見を主張していました。八木氏は以下のような意見を述べていました。

 現行の民法や戸籍法は夫婦と子どもを基礎単位とした家族が基本だが、別姓論者は結婚を個人と個人の結びつきと位置づけ、集団的な束縛のない「多様な家族形態」を想定している。事実婚はもとより、同姓結婚など何でもありの、いわば「家族の規制緩和」だ。(2004年8月18日、朝日新聞朝刊より)

 八木氏のほうは同じ言葉を使っていますが、規制緩和はしてはならないという考えです。夫婦別姓の法制化を論じているのに、事実婚も同性婚も一緒くたというのはやや乱暴な気がします。さらに八木氏は「結婚はある種の束縛。我慢も必要だろう」とも述べています。苦しまないと家族の結束が維持できないとのお考えのようですが、私はむしろ苦痛なら背を避けてしまうのが人間の本能だと思うのですけれど。サディスティックな規制より、苦痛を軽減させるほうが前向きでよい効果がもたらされるような気がします。

 とはいえ、夫婦別姓の法制化と少子化改善を絡めるのはなかなか難しいと感じています。優先度で対立を生じる可能性もあるからです。そもそも少子化を解決したいのかどうか。もし少子化を食い止めたいなら、解決策のひとつとして民法改正による結婚の規制緩和を検討すべきだと思います。逆に、少子化なんて関係ない、結婚には規制が必要だ、同姓を選ぶことのできる夫婦のみ法的な夫婦として認めると考えるなら、民法改正はみじんも考慮されないことでしょう。

<追記>
新聞記事にある大和総研リポートとは、2005年5月25日付け年金調査情報で「少子化を探る(3):少子化対策のヒントは雇用増加策」(年金事業本部 高橋正明)だそうです。大和証券に口座があればダイワのオンライントレードから記事を参照できるそうです。大和総研のサイトに問い合わせしたらメールでレポートが送られてきました。なかなか興味深い内容となっています。

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Comments

 苦しむ様な関係は、別れた方が良いと思うのですが………
 “我慢”とは別の次元と思いますね。
 それに、育ちと習慣が違う人間が家族として暮らす、というのも、なかなか関係を育むのに十分なものであるのではないかと。
 それに、病気やらなにやらで、けっこう試練はあると思いますよ。

 法や制度としての束縛より、相手を思い遣ることによることによる関係の育成の方が、ずっと前向きだと思うのですが。
 法や制度は、その後で良いのでは?

Posted by: 銀猫 | June 07, 2005 at 09:26 AM

そうですよね。
苦しみを軽減するように励ましたりするのが家族ではないかなあとも思います。家族であることを試練にしなくてもいいのに。家族を苦しませて束縛してよし、という考えはどうも理解できないというか、いい家族になれないような気がしてしまいます。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | June 07, 2005 at 09:30 PM

TBありがとうございました。
私は結婚して10年は妻が私の姓を名乗り、2-3年前に、私が妻の姓に変えました。家族の多様なあり方を認めるのが必要ですね。結婚は楽しいよ~、という社会環境、労働環境、子育て環境が必要ですね。

Posted by: スーパーTS | June 07, 2005 at 11:01 PM

最近ココログのパフォーマンスが悪くてご迷惑をおかけしています(昨晩はトラックバックもできませんでした)。

結婚には苦難も生じますが、制度で改善できることならやればいいと思うのですが。苦痛を生む制度を積極的に求めようとする考えはどうもよくわかりません。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | June 08, 2005 at 11:03 AM

はじめまして。
今まで事実婚と言うものをいまいち理解できなかったのですが
夫婦別姓を望んでいらっしゃる方の存在を知って
考えが変わってきました。
夫婦別姓が認められていないために結婚、婚姻という段階を
踏めない、と言うのは大変なことだと思います。
早く法改正されれば、と願っています。
ところで法改正されれば皆さん結婚されるのでしょうか。

Posted by: 結婚を考えるぴゃーっ | June 20, 2005 at 10:37 PM

存在に気付いていただけたようで恐悦です。
みなさん、それぞれですね。考えも苦労も。
少なくともうちは婚姻届を再提出すると思います。
でも、いつになることやら(苦笑

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | June 21, 2005 at 11:42 AM

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