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April 30, 2005

ベアテさんに感謝

 たっちーさんからのコメントもあり、ベアテさんと男女平等について少し考えていることを。

 先日TBSのニュース23にてベアテさんと憲法24条について特集がありました。私は講演会には足を運びませんでしたが、ベアテさんのことはとても感慨深いです。ベアテさんの偉業については近々公開される映画「ベアテの贈りもの」で詳しく見てもらうことにして、簡単に紹介しておきます。ベアテ・シロタ・ゴードンさんは子ども時代を戦前の日本で過ごしました。留学のためアメリカに渡ったところで戦争が勃発。終戦直後に20代のベアテさんは父に会うために軍属という形で日本に渡り、憲法草案作業に加わることになりました。

 日本語も堪能で日本の風土も熟知していたベアテさんは憲法に男女平等を盛り込むことにとても熱心に取り組んでくれました。いまからすると想像できませんが、当時日本は家父長制で女性には選挙権すらなく、とても女性の地位は低かったようです。それなのに男女平等を憲法にだなんて、かなり無理に近かったようです。しかしベアテさんの必死の懇願や熱意により24条はパス(合格)できたそうです。これはベアテさんがとても優秀で、その働きぶりも周囲から評価を受けていたこと、そして若くて熱意があったからではないかと想像しています。

 日本女性は幸運にもベアテさんが残してくれた憲法24条により、大きな恩恵をうけました。その功績は本当に尊敬に値し、感謝しています。いっぽう家父長制を廃したことを24条に明示しても、まだ国民の意識に家父長制が根強く残っていたのも確かです。現に民法には家父長制”風”の見た目だけは残されてしまったようなものです。そのため、戸籍には「筆頭者」という人物とそれ以外の人物がいると誤解されている人もいます(たとえばこの記事のコメントなど)。筆頭者は明らかに戸主ではなく、単に戸籍の並び順や識別に使われる「本籍地+筆頭者」の文字列の一部にしか過ぎないのに。現行の民法や戸籍では誤解されても無理もないような状態です。

 私としてはベアテさんには24条のほかにも努力する勇気ももらったことを感謝しています。制度や社会に男女差はあるにしても、あまり悲観せず自分がどこまで実力を発揮できるかを前向きに考えていきたいと思います。24条がパスしたのもベアテさんの努力があったように、努力や実績を重ねれば次第に評価され道が開けることもあると信じたいです。可能な範囲でバランスよく努力して、仕事でも人生でもいい結果を出せればと思います。

 ところで。

 たっちーさんの「私も結婚相手も名前を変えたくなかったら、夫婦別姓を待つ身さんと同じく事実婚で」には恐縮してしまいました。まだ事実婚にして一年も経たないのにー。見本になってしまうとわ。私も当初は事実婚を知らず、実践して批判されることを心配していた時もありますから。

 ただ幸いなことに事実婚をしているということで直接的な批判をうけたことはありませんが、嫌悪感を示す人もいます(たとえばここにあるコメントとか)。そういうのに耐える強さ(というか図太さ?)も必要かもしれないので、事実婚は周知させたくても実践をすすめるのは正直言って気が引けます。カップル次第では書面に記した名字のペアルックに頼ることなく、夫婦の絆を考えるいい機会になることもあるようですが。

 なによりも私はむしろ、たっちーさんが結婚をする暁にはお相手の方と氏をめぐって悩むことがないように、あっさり夫婦別姓が法制化していることを願ってやみません。

***

(全く関係ありませんが、憲法草案を策定していた時代で思い出しました。前に「これは珍しいものだよ」と見せてもらった紅茶用の急須がありました。たしかノリタケで、底に「made in occupied Japan」とあったのです。この「occupied(占領下)」を見て占領されていた時代があったことにあらためて気付かされました)

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