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November 19, 2004

パートナー解消訴訟に見る内縁の要件

 事実婚夫婦なのに慰謝料請求が認められなかった?。いや、事実婚であることが認められなかったから、慰謝料請求が認められなかったようです。では、事実婚を認定する要素とはなんなのでしょうか。

平成16年11月18日 第一小法廷判決 平成15年(受)第1943号 損害賠償請求事件 (最高裁Webサイトより)

「結婚しないパートナー関係、一方的破棄でも慰謝料認めず」(朝日新聞)
「パートナー解消訴訟:解消は賠償義務無し 最高裁が初判断」(毎日新聞)
「男性側の賠償義務認めず パートナー解消訴訟で最高裁」(産経新聞)
「「パートナー関係」維持の義務無し 最高裁 女性側が逆転敗訴」(中日新聞)
「「結婚せず協力関係」破棄、慰謝料認めず・最高裁」(日本経済新聞)
「2人出産・別居16年、関係一方的破棄でも賠償認めず」(読売新聞)
※いずれも11月18日にWebサイトに掲載

 男性から一方的に別れを求められたことで、女性が慰謝料を求めた裁判があり、最高裁で女性の請求を棄却すると判決がでました。この男女には婚姻関係はないが、16年もパートナーとして特別な協力関係にあったそうです。

 通説や判例では、たとえ婚姻届を出さなくても婚姻の実態がある関係(つまり内縁、いわゆる事実婚)であれば正当な理由無く関係を破棄すれば賠償請求の対象となります。しかし、今回の件では女性の請求は破棄されました。つまり、男性は慰謝料を払う必要はないと。

 報道によると、彼らのパートナー生活は長いものの、結婚直前に婚約を解消していること、同居していないこと、共有財産を持たないこと、子どもの出生時のみ婚姻届を出して育児は男性が担当していること(出産費用も男性とか)、さらにこの関係を継続する合意はなかった等が挙げられ、単に婚姻届を出さないこと以外にも実質的な結婚に相当する要素は少なかったと説明がありました。当裁判では(実質的には)、この男女が内縁に相当するのかが争点でもあったようです。

 毎日新聞の解説によると、婚姻に準じる内縁の要素としては

○共同生活の有無
○家計の同一性
○子供の共同養育

 を総合的に判断するそうです。しかし今回の男女はどれにも該当しなかったそうです。子どもが二人もいて、特別な親交があったのは事実でしょうけど、内縁や事実婚に相当するとは判断されなかったようです。

 そうした関係を解消することは可能か、言い換えれば、そうした関係の継続を法が強制できるか、これが却下されたと私は理解しています。また、この関係を解消する行為は慰謝料を払わなくてはならないか、これも言い換えれば、不法行為に値するかであり、これが却下されたと私は理解しています。

 今回の裁判では、内縁関係を証明できなかったことが大きな分かれ目になったようです。興味深いのは、法的な婚姻関係の有無ではなく、婚姻の実態の有無で判断したことです。法的保護に値するかどうかは、法的な続柄もあるが、実態も重視されるということを再認識しました。

 これを見ていると、なんとなく、日本は実質的には事実婚主義に近づいているような気もします。現状を見ても、実体の伴う事実婚であるならば、かなりの範囲で婚姻の効果を享受できます。そうなると、法律婚でしか得られない効果には最後に何が残るだろうかとしばしば考えます。

 夫婦で同じ氏を持つこと、だったりして。

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Comments

最高裁のWebサイトに本件の詳細があったので、リンクを追加しました。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | November 21, 2004 at 12:47 PM

二人が事実婚かどうかが争点というと語弊がありますね。信義誠実の原則に照らして諸事情を総合的に判断して離婚請求を容認するかどうか、と言い直した方が良さそうです。すみません。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | November 21, 2004 at 05:45 PM

判例のリンクですが、なんか違う裁判のもののような気がします。こっちが正しいのではないかと。
http://courtdomino2.courts.go.jp/judge.nsf/dc6df38c7aabdcb149256a6a00167303/619f58ae3984869449256f50001d928e?OpenDocument

Posted by: たっきー | November 21, 2004 at 11:21 PM

たっきーさん、ありがとうございます。確かにそうですね。
失礼しました。リンクを訂正します。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | November 21, 2004 at 11:32 PM

TBありがとうございます。

今回のケースは本人たちが
法的にも事実的にも婚姻を望んでいないので、
事実婚と認定するのは苦しいでしょう。

事実婚は、まだ色々と不利な点があります。
不当な不利益、特に子供に関するものは
早急に改善すべきと思います。

Posted by: みやっち | November 24, 2004 at 02:16 AM

原告の女性がオフィシャルサイトを立ち上げています。

Posted by: H | November 24, 2004 at 10:10 PM

アドレスを入れ忘れました。
http://flab.s101.xrea.com/
です。

Posted by: H | November 24, 2004 at 10:11 PM

「結婚は契約ではない」というのが、法学上の定説です。
したがって、やはりこの判例は、事実婚とか内縁とは無縁の世界のようですね(「婚姻関係にあるかないかは争いようがない=明らかに婚姻関係にない」ので)。
そういう意味では、事実婚関係を維持したい人にとって逆風にはならないでしょう。

Posted by: nog. | November 29, 2004 at 08:21 PM

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