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September 21, 2004

「公的書類に通称とは概念矛盾」について

 最初はコメントにしようと思ったのですが、せっかくのブログなのでトラバってみます。これぞブログ。

 智恵の智さんのブログ「心想事成 :公的書類に通称とは概念矛盾なのか?」にて、夫婦別姓資料館で言及したことに疑問を呈されているのを偶然発見したので補足します。智恵の智さん、ご愛読いただき感謝感激です。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 通称使用案でよく言われる「公的書類に通称として旧姓を併記する」とは、表現や概念からして矛盾があるのです。例えば「青い赤信号」のように。青≠赤ですよね。

 通称とは公的書類に記載されていない、任意の呼称や名称を指します。旧姓も通称に含まれます。ですから「公的書類に通称」という表現そのものが矛盾しています。

 より詳しい説明は、夫婦別姓選択制実現協議会にある毎日新聞カモミールコラムの過去記事もご覧下さい。記事を寄稿した大森氏は、去年の衆議院法務委員会で参考人として夫婦別姓について意見を述べてくれた方でもあります。

Chamomile Archive :《特別寄稿》 大森 政輔 弁護士(第1回) 通称使用法定案の問題点

 それから国会議員ですが、扇千景さんは芸名、水島広子さんや松島みどりさんは旧姓です。国会議員特権でもなんでもなく、職業生活上の通称使用です。きっと扇千景さんのパスポートには「林寛子」と書かれているのではないでしょうか。いっぽう、福島瑞穂さんや野田聖子さんは確か事実婚(入籍せず)なので戸籍名そのままです。

 いちおう念のため通称使用案について補足すると、通称使用案とは構想のみで条文化されたものは公表されていません。把握しがたい存在なので、論考自体が成り立たないのですが、通称案を強く推奨する産経新聞にはこうありました。

■高市案 選択的夫婦別姓制度に反対する高市早苗議員は十一月、戸籍法の一部改正案を自民党部会で提案した。戸籍は従来通り夫婦同姓として記されるが、結婚前の姓を“通称”として法的に使用できるようにするもので、パスポートや運転免許証などの行政文書に戸籍名(本名)と通称名を併記できるようにしている。
(平成13年12月24日付産経新聞「ニュースウオッチ 夫婦別姓なぜ法制化」より)

 もうひとつ自民党@カフェで高市氏が「「婚姻前の氏の通称使用に関する法律案」ではいかがでしょうか?」と提案しているのも参考になるかと思います。

 運転免許証に旧姓を併記して法的にオーソライズして使うなんて、かなり実現不可能ではないかと思えるのですが。旧姓使用を社会で普及させるのと、旧姓を法制化させるのでは意味が違います。後者は無理というものです。

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Comments

とても細かい話で恐縮ですが、一点間違いを指摘させてください。
松島みどり議員は旧姓ですが、水島広子議員は通称使用ではなく、戸籍名です。ダンナさんが戸籍上水島姓に改姓し、必要に応じてペーパー離再婚されています。ダンナさん側が改姓されているのは珍しいケースかもしれません。

Posted by: a | September 21, 2004 06:37 PM

ご指摘ありがとうございます。そうでしたか、大変失礼いたしました。

では水島さんのケースでは、水島さんが戸籍名でダンナさんが通称使用なんですね。必要に応じてペーパー離再婚とは、ダンナさん側でなにか必要が生じればという理解でよろしいでしょうか。

ついでですが最近当選された蓮舫さんは難しいですね。蓮舫で氏名のような扱いですが、本名は村田蓮舫さんなのですね。ふと気になり調べて気付きました。

参議院議員情報
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/giin/giin.htm

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | September 21, 2004 07:04 PM

扇千景大臣(林寛子大臣)につきましては、以下のリンクに説明がありました。

http://www.cgr.mlit.go.jp/iken/qa/okotae/010315.htm

確かに、大臣として官報に掲載される場合などは、
「林寛子」になっていましたね。
「扇千景」の使用がどこまで許されているものだったのか、
よくわかりません。明確な線引きがあったのかどうか。

Posted by: cha | September 21, 2004 08:38 PM

chaさん、こちらにまとめレスで失礼します。
国会議員の氏名使い分けと運転免許のICカード化についての情報をありがとうございました。とてもためになります。みなさんに支えられてブログの有難みをひしひしと感じます。

任命や認可も法律上の行為となり、戸籍名の「林寛子」にせざるをえない場面があるとは意外でした。当選証書らしきものが戸籍名とは聞いていましたが、他人の目につく場所で戸籍名とは、やはり国会議員も通称だけで通せるわけではなさそうですね。

私も仕事で契約書を前にしてどっちの名前を書くべきか周囲一同で頭を抱えたことがあります。結局両方書きましたが、そういうことのないように私は1つの名前にできたらいいなと思います。

それから免許のICカード化はいつ頃になるのでしょうね。あちこちでオンライン化されてくると名義を書き換えないという回避策が通用しなくなってきそうですね。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | September 21, 2004 09:13 PM

夫婦別姓を待つ身さんトラックバック&フォローありがとうございます。
 こちらのコメントのやり取りを拝見して私自身の疑問点と答えがより明確になったのでまとめをしておきます。
 大臣職や議員(場合によっては公務員)の方の「職業生活上の通称使用」を職場で促進・向上していった結果、対外部に通称名で署名しているのならば公務と言う職場環境であるが故に公的書類に通称という概念矛盾をはからずも達成しているのかな?ということでした。
私が「議員特権?」と書いたのは任命や認可も法律上の行為なのに通称名でOKなのかな?と思い込んでの言葉です。

chaさんが紹介してくださったサイトに

『建設大臣・国土庁長官である扇千景(本名 林寛子)国務大臣の名前については、今後、政府代表等への任命行為及び許可等対外的な法律上の行為については林寛子名を使用し、それ以外は扇千景名を使用することとする。』

とあり公務職での通称使用の線引きが分かりました。ありがとうございます。勉強になりました。

Posted by: 智恵の智 | September 22, 2004 05:48 AM

智恵の智さん、あらためてはじめまして。
私自身も再認識がありました。国会議員といえども通常の職場同様と思っていましたが、任命認可など対外的な法律行為の存在に気付くことができました。智恵の智さんとchaさんに感謝いたします。aさんも。:)

それにしてもそうですよね。国会議員を芸名でやることには私は容認ですが、国家資格の認可が架空の名前でとなるとなんか認定証の重厚さがふわっと浮くような感じがしますね。それに認可される人が通称不可なのだから、認可する人も本名でないとね。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | September 22, 2004 10:40 AM

夫婦別姓と国会議員ということでタイムリーな話題がでましたね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040922-00000204-kyodo-pol">高市早苗前衆院議員が結婚 相手は森派・山本拓議員 

(中略)高市氏は、議員時代に自民党内でも有数の「夫婦同姓」論者として知られていたが、政治活動上の名前については「今後、検討する」という。

だそうです。高市氏の今まで体験しなかったことで、新たに見直すことがでる“きっかけ”になればと思いますが、どうでしょうね。

こちらの報道の仕方は間違ってはないけれど不適切ですよね。

http://webnews.asahi.co.jp/ann_s_140922022.html">高市さんは、仕事や日常生活で夫婦別姓使用ができるように活動していますが、戸籍上は夫の姓を名乗り、山本早苗になりました。

より正確に伝えるには「選択的夫婦別姓制度に反対し通称使用が定着するよう活動しており、・・・」になるはずでは

Posted by: 智恵の智 | September 22, 2004 10:45 PM

そのABCの記事は、どうも、高市氏が、選択別姓に反対しているのを、
隠そうとしている感じですね...
(なぜに、そんなことをする必要がある...?)

Posted by: たんぽぽ | September 24, 2004 06:20 PM

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Tracked on September 22, 2004 11:36 PM

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