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July 11, 2004

どうせあの記事を指摘するのなら

 最近はblogのご近所付き合いも活発になりつつあり、嬉しいです。ああこれがブログなんだと実感がわいてきます。先ほどトラックバックして下さった先で3月の産経新聞社説に触れている部分がありましたので、私からも少し補足を。

 自民党にて、夫婦別姓を議題とした法務部会が開かれたのが3月11日。反対派議員らが猛烈に抗議し、意見集約は当然無理、部会長一任も困難となりました。現場近くにいた人から漏れ聞くところによりますと、それはそれは「サファリパークの雄叫びのごとく」だったそうです。「それは野生動物に失礼でしょう」と揶揄もしたのですが。

 はあ(溜息)。あれはいったい何だったんでしょう。家族崩壊、国家解体、マニアで議論しろ、参議院選挙の後にやれ、答えは出ない、対案は心の中に…とにかく国家の法律を事前審査するような場には相応しくなかったのは確かなようです(当時の記事をまとめたのはこちら)。

 今年は各メディアが注目して下さり、部会で撃破されたことも報道されました。しかし、そのなかで異色だったのが産経新聞です。記事は共同通信にあるものとほぼ同じ、代わりに社説で鮮明に反対するほどの力のいれようでした。

産経新聞「(主張)夫婦別姓 法案は当然見送るべきだ」(2004年3月12日)

 この記事について、kojidoiのチャンネル「夫婦別姓問題。産経新聞のバカがまたおかしなことを」や、What's New & Occasional Diary「夫婦別姓ネタ2つ」で触れ、夫婦別姓の反対理論についての矛盾や不当性について、ご指摘下さっています。

 同紙の「法案は家族の絆を壊しかねず、当然の成り行きである」という主張も、かなり乱暴ですが、私からもひとつ追加で指摘させて下さい。反対理由に挙げているものの根拠に疑問を感じるものがいくつかあります。

 特に同紙では通称使用案を強く推進しています。ところが通称使用案というのは、かつて高市氏が構想のみ掲げましたが、法制化は無理で非現実的な案です。通称使用案とは、存在せず通称を公的書類に記載するなど概念そのものに問題があり1人の人間に2つの本名を与えるなど運用は不可能です。それなのに、通称使用案が「はるかに現実的」と主張する同紙の主張は説得力がありません。

 そもそも「現行民法でも不自由は生じていない」と事実誤認をしていることが根本的な原因ではないでしょうか。不自由が生じているからこそ、論争も署名も続くのです。夫婦別姓を阻止したい一心なのでしょうか。社会を悩ます現象を無理矢理こじつけています。「家庭教育の充実が求められる時代に、それに逆行するような夫婦別姓は進歩的とはいえない」と言いますが、退歩的である証拠が示されていません。さらに児童虐待の相談件数まで示していますが、肝心の家庭内の暴力と夫婦別姓の関連性が示されていません。全国紙でこれほどまでに根拠に欠ける主張を出すとは大胆不敵というか、厚顔無恥というか、唖然としました。

 最後に「家族の絆を強める方向での法改正や教育が必要である」と述べています。本心でそういうのであれば、夫婦別姓に賛成していいはずです。法的な家族になることは、社会生活上の家族の絆を強めることになります。現行制度では同氏でなければ婚姻届は受理されないのですから、家族になろうとする意思を制度が拒んでいることになります。そもそも家族の絆というプライベートで内心的な問題を、社会制度で解決を図ろうとか関連付けようとすることが無理があるのですが、その結論も無理がありすぎます。

 投票に行って参りました。当落の結果が出たらアップしようと記事を準備しつつ。。。

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Comments

> 1人の人間に2つの本名を与えるなど運用は不可能です。
でも一つの家庭に二つの本名を与える運用は可能だと思ってるわけですよね。とても不思議です。

Posted by: Jin | September 08, 2004 at 05:26 PM

自然人や法人には登記された名前(本名)がありますが、
自然人の集団である家庭に登記された名前があると思っているのですよね。それも不思議です。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | September 08, 2004 at 07:13 PM

名前は個人にしかなくて、集団にはないとおっしゃるのでしょうか?
登記されているかどうかにかかわらず、たとえば草野球チームでも、近所の趣味のサークルでも、名前は存在しますよ。
それに何より戸籍では個人個人にそれぞれ氏が「登記」されているのではなく、核家族単位ごとに一つずつ氏が「登記」されていますよ。
いったいどこの国(星?)のお話をされているのか、不思議です。

Posted by: Jin | September 09, 2004 at 03:28 PM

公的書類に登記されていない呼称の話はしていません。

戸籍の実物をご覧になったことがありますでしょうか。
氏は集団にしかなくて、個人にはないとおっしゃるのでしょうか?
個人には戸籍の記載をもって登記された氏名があるのだと私は理解していますが。

戸籍の実物例
http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/simin/koseki/

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | September 09, 2004 at 03:53 PM

> 戸籍の実物をご覧になったことがありますでしょうか。
もちろんあります。
筆頭者 山田太郎
  妻 花子
ですよ。
それともそちらでは両者に氏が書いてありますか?

Posted by: Jin | September 09, 2004 at 04:44 PM

ところで
http://www007.upp.so-net.ne.jp/rindou/jiji20.html
こういうのを読まれてどうお考えになりますか。

Posted by: Jin | September 09, 2004 at 04:50 PM

Jinさん、お付き合いいただきありがとうございます。

提示したURLはごらんになりましたか?正確にはこうではないでしょうか。

本籍  (本籍地)
筆頭者 山田太郎
  夫 太郎
  妻 花子

筆頭者が家庭に登記された氏でしょうか?
戸籍法には、戸籍内の各人について氏名を記載するとあります。
「家庭の氏」という集団に属する項目は見つかりません。

戸籍法13条【戸籍の記載事項】
戸籍には、本籍の外、戸籍内の各人について、左の事項を記載しなければならない。
1.氏名
2.出生の年月日
3.戸籍に入つた原因及び年月日
4.実父母の氏名及び実父母との続柄
5.養子であるときは、養親の氏名及び養親との続柄
6.夫婦については、夫又は妻である旨
7.他の戸籍から入つた者については、その戸籍の表示
8.その他法務省令で定める事項

私には民法や戸籍法のどこを探しても「家庭に登記された名前」となる法的な根拠が見出せません。

***

それから提示されたURLは拝見しました。議事録はないのでしょうか。夫婦別姓の議論はこうした自民党法務部会というクローズな場ではなく、誰が何を言ったかはっきりと分かるオープンな場で議論していただいたほうがいいと思います。

Posted by: 夫婦別姓を待つ身 | September 09, 2004 at 11:21 PM

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